田舎のパン屋が見つけた『腐る経済』
先日テレビに出ていた素敵なパン屋さんが書いた本、
読みました。
不思議な本でした。
予想では、
こだわりのパンを作るパン屋さんが、苦労を重ねながら、マルクスの資本論を武器に大成功するストーリーかと思ったのですが、全く違いました。
実際には、
現在の資本主義経済の矛盾を感じた著者が、マルクスの資本論に影響を受け、こだわり天然酵母パンを作り、菌の力と生き方に学んで成長、成功して行くお話しでした。
その中で、天然酵母パンを開発する苦労話や田舎に移住する話もあって面白かったです。
ただ、私が一番知りたかった内容はありませんでした。
それは、価格の高くなってしまったパンを、しかも人口の少ない田舎でいかに売るのか?というところです。
いいパンを作る為には、自然農法の良い素材が必要で、手間もかかるし、結果価格も高くなる。
パン作りに合う水を求めて超田舎に引っ越す。
売るためには不利なことばかりな気がします。
そこをどう克服したのか?
売れない間をどう乗り切ったのか?
疑問は尽きないのですが、
それは営業担当の奥様の仕事ということで一切触れられていません。
ご主人は良いパン作りをするだけのようです。
放射能から逃げるために移住を考えるというのは共感できませんでした。
私としましては、
第二弾で奥様の営業奮闘記を期待します。
ところどころで触れられていますが、
素敵な奥様の気がします。
最後に、
菌は良いものは発酵させ、悪いものは腐敗させるといっている著者が、
腐る経済が良いと言っているのがちょっとわかりにくいというか、
言葉を選べば良かったのになぁ!というのがずっと気にかかっています。
細かいですね、すいません。
Posted from わしの屋酒店店長